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エイズ患者は一生性行為が出来ないのか

エイズは不治の病とまで言われた恐ろしい病気です。
エイズに感染してしまった患者は、一生性行為が出来ないのでしょうか。
感染によって不安定で心身共に疲弊している精神状態の中、最愛の人をいつくしむ事もできないまま闘病生活で一生を終わるなんて生きている意味がわからなくなってしまいそうです。
本当にそんな過酷な状況になってしまうのでしょうか。

そもそも人がHIVというウィルスに感染して、そのウィルスによる様々な病気が引き起こされる病気のことをエイズといいます。
HIVに感染している人が感染予防をせずに性行為をすると、感染者がエイズを発症していなくても性行為をした相手にHIVは感染する可能性があります。
そして、感染した人が更にその感染に気付かずに第三者に感染させていくという恐ろしい構造でHIVは急速に広がってしまったのです。

しかし、HIVの感染経路は主に血液・男性であれば精液・女性であれば膣分泌液や母乳に多く含まれているという事がわかってきました。
同じ体液でも、唾液・涙・尿などでは他人に感染が疑われる量のHIVウイルスは分泌されません。
その上、感染は粘膜や血管に達するような深い傷からでなければ起こりません。
ということは、普段のハグやキスでは感染することは考えにくいのです。
つまり、性行為をするにあたっても、HIVウィルスが粘膜や傷に接触しないようにコンドームなどで遮断すれば感染することはないと考えられています。

最近のHIV陽性の方の治療は毎日薬を服薬することで行っていますが、治療が進むと血液中などにHIVウィルスがほとんどいなくなる効果があります。
もちろん服薬は続けなければいけませんが、そういう状態になってからは血液中にウィルスがいないのですから感染もしません。
もちろんHIV以外の性感染症予防の意味も含めて性行為時にコンドーム着用は絶対に必要ですが、妊娠や出産も夢ではなくなってきています。
つまり、エイズ患者は一生性行為が出来ないという事はなく、理解のあるパートナー次第と言えます。

医療の進歩でエイズは「不治の病」ではなくなった?

現在の医療技術ではHIVウイルスを完全に排除する治療法は確立されていません。
現段階でのエイズ治療はその目標をHIVウイルス量を管理することに置いており、排除を目指すものではありません。

HIVウイルス量をコントロールする薬は、現在もエイズ治療薬として多くの薬が使用されています。
HIVの治療では、多剤併用療法と呼ばれる治療が主に行われています。
これ抗HIV薬を3剤以上併用する治療法です。
複数の薬剤を使う理由は、1つの薬剤のみではウイルスが薬剤耐性をすぐに備えてしまい、薬剤効果が早期に消失してしまう可能性があるためです。
複数の薬剤を使用することで、薬剤耐性をもつまでの時間を遅らせることが出来ます。

しかしこのような治療も、ウイルスの増加を阻止するだけ、ウイルスの根本排除はできないため、エイズ患者は一生にわたって薬を飲み続ける必要があります。
また現在のHIV治療薬は「老化が早まる副作用がある」「治療費が高額になる」など多くの問題点を抱えており、これらの課題を克服する新たな治療法の確立が急務となってる。

そんな中、完全なHIV治療の可能性を予見させるいくつかの研究データも出てきています。
2016年に行われたイギリスの5大学の共同研究チームによる発表によれば、新たな治療法により男性患者の血液内から完全にHIVウイルスの排除に成功したというニュースも報じられている。
また日本国内においてもHIV細胞を中和する働きをもったワクチンの研究が進められており、現在そのいくつかは動物への実験段階にまで至っています。
HIVが不治の病でなくなり、エイズ患者の方が満足のいく性行為を楽しめるようになる日も、そう遠くはないのかもしれません。

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